亡くなった人の相続財産は、相続人のみが相続できます。そのため、相続人ではない親族が、亡くなった人の生前に生活の面倒をどれだけ看ていたとしても、法律上なんの恩恵を受けることはありませんでした。
子のいない長男の妻が、同居の長男の母を毎日介護を尽くしていたにもかかわらず、長男が母より死んだために、母が亡くなった際の母の相続財産がその妻側に相続されず、なんの面倒も見ていなかった他の兄弟が相続するという悲劇は珍しくはありません。
そういった不公平を無くすために、相続人以外の親族が貢献していた場合には、相続人に対し金銭を請求することができるようになりました。相続財産をもらえるというのではなく、相続人に対し金銭を請求することができのみになります。
● いくらもらえるの?
相続人以外の親族が貢献していた場合のその請求できる費用を「特別寄与料」といいます。特別寄与料は、貢献の度合いに応じて請求することができるのですが、どう決めるのかは当事者間の協議になります。もちろん相続財産以上の金額は請求できません。相続財産がなければ請求できないので、相続財産がない場合は相続人に対し請求はできません。
協議が整わない場合は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料を家庭裁判所が決定します。
● 誰でももらえるの?
特別寄与料は、介護したら誰でももらえるわけではありません。この法律は、親族のみと決まっています。そのため、施設の介護職の方やヘルパーなど業務上で療養監護している人は除外されます。
● いつでも請求できるの?
相続の開始及び相続人を知った時から六箇月を経過したとき、又は相続開始の時から一年を経過したときは、請求できません。