· 

所有者不明の土地を売却できるように

所有者不明の土地というのは、法務局で管理している不動産の登記簿だけで所有者が判明しなかったり、連絡がとれない状態にあることをいいます。

 

 

どうしてそういうことになるかというと、土地の名義が先代、先々代、先々・・・代などと名義がそのままになっており、もはや相続人がどうなっているのかすら分からない状態などが挙げられます。

 

 

不動産の名義書換はあくまでも任意によるものなので、手続きをとらないならそのまま名義が残る状態になります。よって相続が起きたからといって名義を換える必要はなく、そのまま先代、先々代の名義が残ることになってしまいます。

そして、もはや名義書換しようとしてもできない土地は困難登記と呼ばれ、手が付けられない状態になるわけです。

 

 

現在その所有者不明土地は、現在は410万ヘクタールあると言われており、九州の面積を上回るとのことです。今後は北海道面積に迫ると言われており非常に問題になっているのです。

 

 

今回の法律改正では、不動産登記簿に所有者の氏名や住所が正常に記録されていない土地が対象になります。

これは所有者欄に住所の記載がないものや、所有者欄に「他何名」「共有惣代」など記載があるものです。昔の登記簿には、このような記載が普通にあり、認められていました。代表者の氏名のみ記載があるのですが、今となってはその代表者すらどこにいるのかも分かりませんし、相続人もわかりません。

 

 

これらの問題を法務局の登記官に調査権限を与え、登記官が名義変更できるというものです。分からない場合は、土地を利用したい自治体や企業の申し入れで裁判所が管理者を立てて売却することができるようになります。

 

 

今回の改正は第一歩ですが、これから相続登記の義務化など法改正進んでいくことになるかもしれません。