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民法改正~消滅時効③~

消滅時効の中断についても、改正法では、色々変更しています。権利の消滅を防ぐ方法を確認していきましょう。

今の法律で消滅時効の成立を中断するには、以下の方法があります。

 ①請求

 ②差押え等 

 ③承認(相手方が債務の存在を認める行為をすることです)

①の請求は、裁判上で行うものです。似たもので催告というものがありますが、催告も一時的に消滅時効を停止させる効果がありますが、催告して6カ月以内に裁判上の請求等をしないと時効を中断することができません。

 

「中断」すると、時効がリセットされ、消滅時効のカウント1から始まります。

「停止」というのもあります。こちらは、時効がリセットされません。一定期間時効のカウントがされないものです。

例えば、夫婦間での権利の時効は、婚姻が解消されたときから6か月経つまでは時効がカウントされません。

ここまでが、今の法律の話です。改正法はこの辺りにもメスを入れました。

 

「中断」「停止」という言葉が誤解招きやすいので、「更新」と「完成猶予」に言葉を変えました。

・「中断」→「更新」

・「停止」→「完成猶予」

 

大きな変更点もあります。

協議による時効の完成猶予の規定を新しく設けました。

争いとなっている権利について、当事者双方において協議を行う旨の合意を書面でした場合には、合意があったときから1年間は時効の完成を猶予することができ、合意の更新も最長で5年までできることになりました。

 

これで協議中に時効完成するような事態は防げるようになるのではではないでしょうか。